論文・新聞記事
特許あれこれ
企業間の特許関係契約書雛形(平成16年10月4日)
●中堅・中小企業向け秘密保持マニュアル
本書は、中堅・中小企業の皆様が、他社と取引をされたり、共同研究をされたり、大学と共同研究をされるなど、他者と取引や連携をする場面に絞って、知的財産への対処法をわかりやすく述べ、より一層活発に取引や連携をおこなっていただくことを目的としたものです。
●「中小企業のための特許契約の手引き」
独立行政法人工業所有権総合情報館
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NCIPI、「中小企業のために特許契約の手引き」を発行
【動向】発信:2004/06/23(水) 18:16:55
独立行政法人工業所有権情報館(NCIPI)は15日、中小企業の経営者等を対象に、特許契約の実務等に関する基礎的な知識を身につけるための「中小企業のための特許契約の手引き」を発行したと発表した。
手引きは、(1)知的財産の基礎知識、(2)契約に関する基礎知識、(3)特許等契約に関する基礎知識、をQ&A形式で分かりやすく解説した上、(4)解説、でライセンス契約に関する指針の概要や法律用語の解説を掲載、(5)資料編、にモデル的な各種契約書のひな形を掲載している。
契約書のひな形には「特許実施許諾契約」、「特許及びノウハウ実施許諾契約」、「共同研究契約」、「特許共同出願契約」、「秘密保持契約書」などが含まれており、実用的な構成となっている。また、末尾には特許流通アドバイザーと特許情報活用支援アドバイザー、特許電子図書館情報検索アドバイザーの一覧も掲載されている。
大学における特許法第30条適用の取扱いに係る資料
平成16年1月8日
承認TLO 各位
特許庁総務部技術調査課大学等支援室
特許庁特許審査第一部調整課審査基準室
大学における特許法30条適用の取り扱いについて
平成13年12月18日に特許法第30条第1項(新規性の喪失の例外)の規定に基づく学術団体の指定基準が改正され、「特許庁長官が指定する学術団体」として大学(学校教育法第1条に規定する大学及び高等専門学校並びに国立学校設置法第9条の2第1項に規定する大学共同利用機関をいう。)を指定できることが明確にされました。
そして、大学が特許庁長官の指定を受けている場合、その大学が開催する研究集会において、文書をもって発表した場合は、特許法第30条第1項の適用を受けることができます。なお、特許出願は研究集会の日から6ヶ月以内に行い、出願する発明が第30条第1項に規定する発明であることを証明する書面を提出することが必要です。(別添2参照)
ただし、学部や学科レベルで主催する学士論文等は適用外となっており、学生の発表する研究成果に重要な発明が含まれる場合には、論文の発表を大学主催とするか、もしくは、発表前に特許出願を行う必要があります。この点について、特許庁ホームページにQ&Aを設けるなどの方法で周知を図っておりますが、現状では、大学関係者に十分に周知・徹底されているとはいえません。
つきましては、別添の資料等をご活用の上、承認TLOの皆様から連携する各大学関係者に対して、注意喚起をおこなっていただきたいと存じます。
なお、本件について、御不明な点がございましたら、下記問い合わせ先まで御連絡下さい。
【問い合わせ先】
特許庁特許審査第一部調整課審査基準室
電話:(代)03-3581-1101(内線3113)
FAX:03-3597-7755
E-mail:PA2A12@jpo.go.jp
別添1
大学関係者各位
大学における特許法30条適用の取り扱いについて
平成13年12月18日に特許法第30条第1項(新規性の喪失の例外)の規定に基づく学術団体の指定基準が改正され、「特許庁長官が指定する学術団体」として大学(学校教育法第1条に規定する大学及び高等専門学校並びに国立学校設置法第9条の2第1項に規定する大学共同利用機関をいう。)を指定できることが明確にされました。
ただし、学部や学科レベルで主催する学士論文等は適用外となっており、学生の発表する研究成果に重要な発明が含まれる場合には、論文の発表を大学主催とするか、もしくは、研究前に特許出願を行う必要がありますので、事前の十分な検討をお願い致します。
なお、本件について、御不明な点がございましたら、下記問い合わせ先まで御連絡下さい。
【問い合わせ先】
特許庁特許審査第一部調整課審査基準室
電話:(代)03-3581-1101(内線3113)
FAX:03-3597-7755
E-mail:PA2A12@jpo.go.jp
【参考(ホームページ抜粋)】
特許庁 http://www.jpo.go.jp/indexj.htm HOME > お問い合わせ(よくある質問) > 特許法第30条(新規性喪失の例外)の適用について > 7.大学が特許庁長官の指定する学術団体として指定されている場合の取り扱い
Q43 学部や学科で自主的に行われる博士論文・修士論文・学士論文の発表会は「特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会」と認められるか?
A: 認められない。
「特許庁長官が指定する学術団体」は「大学」であり、「学部や学科」ではない。したがって発表会が学部や学科で自主的に行われており、大学が開催(共催を含む)していないのであれば、第30条第1項の適用は受けられない。
別添2
証明書
別添文書に記載されている内容「・・・・・」は、下記のとおり、当大学の主催する□□論文発表会(平成○年○月○日開催)において、文書をもって発表されたことを証明する。
記
1.研究集会名 □□論文発表会
2.主催者名 ○○大学
3.開催日 平成○年○月○日
4.開催場所 ○○大学 第××号講義室
5.文書の種類 論文概要集(別添)
6.発表者名 特許 花子
7.文書に表現されている発明の内容
平成○年△月△日
東京都××区○○1−1−1
○○大学学長
発明 太郎 印
特許を取るためのお金
(2000-10)
(1)個人出願
特許を取るには、自力で取る方法と、弁理士を代理人にして取る方法とがあるが、まずは、自力で取る場合の費用を説明する。
まず特許出願をする必要があるが、その際の出願料は2万1000円。
次に、出願した特許を審査してもらうために、審査請求料というのを支払う。
基本料金が8万4300円で、さらに請求項の数に2000円を掛けた額が少要となる。
つまり、請求項が1つしかなかったとしても、8万6300円かかり、特許出願料と審査請求料とを合わせると、最低でも10万7300円が必要となる。
出願料 2万1000円
審査請求料 8万6300円(8万4300円+2000円)
計 10万7300円
さらに、出願がストレートで登録になることはまれで、普通は、特許庁と何回かやり取りをすることになるのだが、その際にも料金が必要となる。たとえば、特許庁から拒絶査定をくらってしまって、それを不服とする審判請求をする場合、4万9500円を基本料金として、請求項の数×5500円をこれに加えた額を支払わなければならない。つまり、請求項が1つしかなくても、5万5000円かかる。
さらにまた、特許出願したものが審査を経て登録になると、今度は、毎年の特許料というものを支払わなくてはならない。その額は以下の通りである。
1年目〜3年目 毎年1万3000円に 1請求項につき1100円を加えた額
4年目〜6年目 毎年2万300円に 1請求項につき16OO円を加えた額
7年目〜9年日 毎年4万6OO円に 1請求項につき3200円を加えた額
10年目〜25年目毎年8万1200円に 1請求項につきる400円を加えた額
この表からも明らかなように、特許料においても、基本料金のようなものがあって、請求項の数に応じて特許料が増加するようになっている。
しかも、年数を経るにつれて特許料が増加している。
なお、出願していたものが登録こなることが決まったら、まず、最初の3年分の特許料を支払わなければならないため、最低でも4万2300円が必要となる。つまり、請求項が1つの特許出願で、特許出願、審査請求、特許料の納付といった一連の手続きを、すべて自力で済ませたとしても、最低でも以下の全額がかかる。
出願料・審査請求料 10万7300円
1〜3年目の特許科 4万2300円
計 14万9600円
もちろん、ふつうはもっと料金がかかる。たとえば、やはり請求項が1つで、特許庁の審査で拒絶査定となってから、それを不服とする審判請求をした後にやっと登録となり、その後16年間特許料を払い続けるような場合を考えてみよう。このような場合、単純にその費用を足しただけでも、以下のような額になる。
出願料・審査請求料 10万7300円
審判請求料 5万5000円
1〜3年目の特許料 4万2300円
4〜6年目の特許料 6万5700円
7〜9年目の特許料 13万1400円
10〜16年目の特許料 61万3200円
計 101万4900円
(2)弁理士出願
弁理士を代理人とする場合を考えてみよう。するとさらにこの金額が、倍以上に跳ね上がってしまう。
弁理士会が定めている「弁理士報酬額表」から抜粋した表で、実際に、どれくらいのお金がかかるのか、見てみよう。
項目 手数料 謝礼金
特許出願 18万円 10万円
請求項1項ごとに加算 1万円 1万円
(2項自以降)
特許付与後の異議申立事件 27万円 27万円
拒絶査定に対する審判事件 19万円 19万円
訴訟事件 100万円 100万円
特許出願の際の手数料は、請求項が1つの場合でも、18万円である。そして、請求項が1つ増加するごとに、この額に1万円が加算される。そして、出願したものが無事に登録になれば、謝礼として、最低10万円が必要になる。
さらに特許庁での審査が紛糾して、拒絶査定を不服とした審判請求をする場合には19万円、特許付与後に異議申立された場合の対応に関しては27万円、裁判になった場合には100万円もかかる。それも謝礼は別料金だ。
出願したものが特許として成立しなかった場合でも、特許庁や弁理士に支払ったお全が返ってこない。つまり、支払った高額の費用はすべてムダになってしまう。